引き出しnet >> 変化を嫌う。垣根を作る。そんな文化を変える

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状況

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ある外資系金融機関の管理部門長として内部昇格したCさん。
当時の会社の状態は、セールスと管理部門との仲が悪く、互いに責任のなすり合いが日常茶飯事という状況下、シェアは年々下がり続けていました。

行動

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赴任初年度の経営方針が社長から示されました。
そこには「真のカスタマーフォーカス」と「全員が成長に貢献」という二つのメッセージがありました。
社長は米国本社から赴任したベテラン。
さっそくすべての部長との個別ミーティングが始まりました。
「真のカスタマーフォーカスの観点からお前の部門は何をするのか?」「部門として成長にどう貢献するのか?」
社長からの質問に何一つ明快に答えることができなかったCさんに対して、社長からの提案は「ワークアウトを活用しなさい」の一言でした。
意味が飲み込めないまま、人事部の紹介で「ワークアウト会議進行研修」に参加したCさんは、だんだん社長の言った意味が飲み込めてきました。

研修から戻ったCさんは、部下課長7人と何名かの気の利いたスタッフにも「ワークアウト会議進行研修」に参加させ、ワークアウト会議に必要な「チャンピオン」と「ファシリテーター」を育てました。
Cさんの作戦はこうです。
・課長がチャンピオンになり、各課でお客様の満足度を上げるワークアウトをやる
・ワークアウトの共通アジェンダは、
  ①原因の追及、②アイディア出し、③優先順位付け、④アクションプラン作り
・ワークアウトには一般社員派遣社員だけでなく、セールスからも参加させる
・3ヶ月間で成果を出させる
・進行役ファシリテーターは各課横断で活用しあう

3ヶ月間で合計20個のワークアウトが実施されました。
次にCさんがおこなったことは「ワークアウト・アワードパーティ」でした。
飲み物と軽食が用意された会議室で、20ワークアウトチームメンバーが自分たちの成果発表のブースをつくり、社員が自由にそれを聴きながら点数をつけて回る、というスタイルです。

そして最高点をとったチームに、サプライズとして、社長から表彰が渡されるという仕掛けをおこないました。
「びっくりです。うれしいです。私のアイデイァが社長から表彰されるなんて」
そう感想を述べたのは、あるワークアウトチームメンバーの契約社員の方でした。
その方のアイディアが最終的に採用され、ある書類のお客様記入負担が減り、セールス事務負荷が劇的に軽減されたのです。
そして更に、この方が泣きじゃくるほど感激した仕掛けは、
「ありがとう。●●さんのおかげて僕らはほんとうに仕事がやりやすくなった。これからも本当にお客さまに喜んでもらえる会社になるために、いっしょにやろうね!」
満面の笑みと大きな声でそう讃えた、全国最優績の強者支社長の言葉だったのです。

成果物

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Cさんのワークアウト作戦の成果物はいくつもあると思います。
直接的には個々のワークアウト効果による顧客満足度の向上ですが、それ以上に大きいのがカルチャーが変わったと言うことでしょう。
Cさんはこう語ってくれています。
「内向きの議論が暗くて空しい風土をつくってきたんだと思います」
「今思うと、以前はそりゃひどいものでした。自分の仕事さえよければそれでいい。他の部署のことは関わりたくない。営業はウソをつくので信用できない。変化を嫌う。リスクはとらない。。。。」
「でもね、当時はそれでよかったんです。みんな与えられた仕事は責任を持ってきちんとやりとげてきた。何年も何年も」
「実は私もそうでした。おなじ部門にいましたから」
「だから、部下は私の背中を見ていたんだと思います。昨日まで同じ仕事をしていた●●さんが、部長になったらどう変わるのか。お手並み拝見・・・みたいな」
「だから自分が行動で示すしかなかったんです。ワークアウトという新しいやり方をね」
「今では全員が外部視点で議論しますよ。だからベクトルが合う。会議だってそりゃ劇的に早く終わりますよ。笑い声が絶えませんし」